ぶらっとJapan

足の向くまま、気の向くまま。おもに京都・大阪近郊をぶらぶらするブログです。

平安の雅びを味わう【城南宮の梅】

bratt

椿も見どころです♪

あちこちで梅が見頃を迎えていますね

今日はお天気もよかったので、城南宮に行ってきました。

社殿でお参りを済ませお庭に入るとあたり一面見事なしだれ梅。

先日、大阪城で見た梅を観音様に例えましたが、こちらは優美な天女です。風にそよぐ細い枝ぶりが何とも雅びで、薄いピンクの靄がかかったような景色は桃源郷もかくやという美しさ。周りからもため息とも歓声ともつかない声が聞こえてきます。

ひとつひとつはとても繊細なたたずまい。

城南宮自体の創建は794年の平安遷都に遡るそうですが、平安後期に城南宮を囲むように鳥羽離宮が建てられ、白河上皇や鳥羽上皇が院政を行った場所として有名です。城南宮は離宮の鎮守として崇められたとか。離宮は2kmにも及んだと言われる文化政治の中心でしたが、南北朝の動乱で多くが失われ、現在は離宮跡の公園や天皇陵がいくつか残っているだけだそうです。確かに竹田駅から巨大な工場や高速道路の側を通り抜け、本当にこんなところに? と不安になったころに突如として城南宮はその姿を現します。

 

満開です。

八重の花弁なのでとてもゴージャス

平日にもかかわらずたくさんの人で、老いも若きも、健康な人も身体の不自由な方も変わらず花を愛でている姿が印象的でした。花の前では皆平等です。たとえ目が不自由だったとしても、その匂いが心をなごませてくれることでしょう。

変わらない花や木の姿は、いにしえの空気を伝えてくれます。

最近、椿を見る機会が多いのですが、椿って意外に高嶺の花なんですよね。感覚としては木です。だからよくお顔が見えない。(背の低い椿もありますが。)地面に落ちてきてようやくつくづくと眺めることができるのです。昔の人はその命が尽きる間際の邂逅にあはれを感じたのでしょうか。風景のさし色としても素晴らしいですよね。実際、1枚目の写真はカメラ女子が密集する人気撮影ポイントでした。

今の時期は梅が大人気ですが、ここのお庭は『源氏物語』ゆかりの花や草木を見られることでも知られていて、あちこちに『源氏物語』の一節を書いた札が立っています。もちろん、季節があるので実物を一度に全部見られるわけではありません。けれど、ただ読んでいるだけでも、実にたくさんの植物があるのだと驚かされます。紫式部が教養の高い女性だったということもありますが、昔の人は本当によく知っていますね。きっとそれは、現代人よりも遥かに自然と人間の生活が密着していたことも一因だと思われます。花で糸を染め、実を食料にし、竹を使って道具を作る。生活に欠かせないものだから詳しくなる。そしてまた、鮮やかな花の色を愛で、地面にしっかりと根をはる木に勇気づけられてきたのではないでしょうか。愛でることについては現代人も同じです。周囲の環境から推して庭の維持にはけっこうなご苦労があるのではと勝手に心配していますが、末永く残していってほしいです。現代は、たとえばクローン技術でまったく同じ庭を再現することが可能なレベルまで来ていますが、そうやって人工的に作られたものたちと自然の植物とでは発するエネルギーが違う気がしますよね。

交通の便が若干悪いのが難点ですが、繊細な美を堪能できるとてもいい所でした。

そして鳥羽離宮は後白河法皇が平清盛により幽閉された場所であり、さらに下って後鳥羽上皇が承久の乱で兵を集めるために城南宮で行われる流鏑馬を名目に使ったりと歴史の重要な舞台でもあります。今回初めて知りましたが、鳥羽伏見の戦いもこの辺りで口火が切られたんですよね。歴史的にもとても興味深い場所なので、また改めて訪れたいです。

ひさしぶりなので長文になってしまいました。最後まで読んでいただきありがとうございます