最強のふたり 佐治敬三と開高健

「やってみなはれ」精神が痛快です。
「もはや戦後ではない」が流行語となったのが昭和31年(1956年)。その頃の映像を見ていても昭和40年前後から一気に日本の風景が変わった感があります。当時は、日本中が一種の躁状態だったんではないでしょうか。
そんな時代に「なんかおもろいことやったるでぇ」と人生に挑戦し続けた2人、サントリー2代目社長・佐治敬三と、その社員であった小説家・開高健のお話です。
サントリー・ホールもサントリー美術館も東京にありますし、開高健が編集長を務めた伝説の雑誌「洋酒天国」の編集部も東京にあった(上京願望の強かった開高健の根回しの結果だそうです)ので、勝手に東京発祥の会社だと思っていましたが、サントリーは大阪創業の会社なんですね。
言われてみれば、豪快で、ちょっとそそっかしくて、でもちゃっかりなお二人の気風は、まさに大阪人の面目躍如です。
同時に、2人とも早くに肉親を亡くしたことや、戦争での悲惨体験が大きな影を落とし、今よりずっと死や貧困が身近にあって、限られた人生を生き切ってやろうという凄味があります。そんな彼らの人生は文句なく面白く、夢中になりました。
読み終わった後には、ザ・プレミアム・モルツが呑みたくなる。そんな一冊です。
ちなみに、佐治氏の御父上・鳥井信治郎が丁稚奉公をしていた小西儀助商店は、現在も登録有形文化財・小西家住宅として現存しています。昨日ご紹介した五代さまの像から堺筋を心斎橋方面に向かって5分ほど。なんと現役のオフィスです。信治郎が働いていた当時、近くの自転車屋にはやはり丁稚奉公をしていた松下電器(現・パナソニック)の創業者・松下幸之助がいたそうですから、やはり船場は立志伝中の人物がひしめくホットスポットだったんですね。五代様からサントリーへ。そんな散歩も楽しいかもしれません。
このブログへのコメントはmuragonユーザー限定です。